にほんの里百選一覧 |
道府県名 |
里(地域名) 名 称 |
里 の 紹 介 な ど |
景 観 |
||
北海道
|
海岸部の漁村とそれに続く霧多布湿原の後背地に農村風景が広がる |
湿地・海辺・畑 |
|||
町ぐるみで「ブナの北限の里作り」を推進 |
里山・草地 |
||||
青 森
|
|
ウニ・タコなど漁を山迫る港で営み鎧張りの平屋建て住宅が集まる 方言のまま伝わる歌舞伎の歴史は100年を越す |
海辺・集落 |
||
|
転作のそばを活かす。江戸期から残るという水車で粉を挽き「新そば祭り」 を開く |
畑・水田・里山 |
|||
岩 手
|
|
「塩の道」の里。渓流沿いに板壁や茅葺きの民家が残る |
河川・集落 |
||
|
早池峰山を仰ぐ遠野物語ゆかりの里。お年寄りたちが伝統行事を指導 伝統野菜の暮坪かぶ、ホップ、ワサビ栽培、ヤマメ養殖 |
水田・集落・畑 |
|||
|
小河川、農地、山林が入り組む。萩荘のため池群、中世の稲作景観を 継ぐ厳美町本寺地区の風景など農の歴史が残る |
水田・集落・河川 |
|||
宮 城
|
|
沼周辺の水田がエサ場となってマガンなど多数の渡り鳥が飛来 水鳥のために冬にも田に水を張るなど農家や地元の活動も活発 |
水田 |
||
|
漁港背後の急斜面に民家が密集して迷路のような歩道が巡る ホタテ、アワビ、ウニなど豊かな漁業資源 |
集落・海辺 |
|||
秋 田
|
|
漁業と林業の町。乱獲で衰退したハタハタを禁漁で復活。 秋田の伝統食文化を守り活気を取り戻す |
海辺 |
||
|
かつてのマタギの中心地。山菜やキノコ取りなど森に密着して暮らす 能楽の一種「根子番楽」など伝統行事を守る |
集落・畑 |
|||
山 形
|
|
豪雪地。作業を助け合う「ゆい」の結束が固く、閉校した分校校舎を 体験型宿泊施設「みやまの里木の根坂」に |
集落・里山 |
||
|
昭和初期までマタギで暮らした文化が残る。熊の生態調査も30年継続 ブナ林豊かな温身平は「森林セラピー基地」 |
里山 |
|||
福 島
|
猪苗代湖(猪苗代町) |
福島を代表する里景観。磐梯山のすそ野に湖と水田が広がり灌漑、発電 飲料水など湖水が住民の暮らしと深く結びつく |
池沼・水田 |
||
中川(金山町) |
奥会津の景観を代表する里。只見川のゆったりとした流れに沿って水田と 集落が立地。水辺に迫る山並みが里の景観を引き締める |
河川・集落・水田・畑・里山 |
|||
茨 城
|
|
山間の隠れ里のような12戸の集落。在来の弾力あるコンニャクを作り 加工販売で地域の婦人部が活躍。古文書も残る歴史ある里 |
畑・里山 |
||
|
筑波山麓に茅葺きの民家が80戸点在。「筑波流」の葺き方は軒を 何層にも彩るなど粋な工夫を誇る |
水田・集落・里山 |
|||
栃 木
|
丘陵地の里山。雑木林、棚田、集落の景観が調和。椎茸原木など里山の 利用も |
里山・水田 |
|||
|
市北部の稲作地帯。用水源の谷川にはヤマメ、ホトケドジョウなど多様な 生き物が生息。 |
河川・湧水・水田 |
|||
群 馬
|
|
赤城山に抱かれるようにゆるやかな棚田が広がる。米作が中心だが マコモタケの試験栽培などで土地の有効利用を模索 |
水田・里山 |
||
|
傾斜地に「ちぃじがき」と呼ぶ小石を積んだ石垣と段々畑。 放棄畑の活用と地域活性化を図るそば打ち体験・オーナー制が好評 |
集落・畑・里山 |
|||
埼 玉
|
|
山に囲まれた丘陵地。温暖でミカン栽培は400年を越す歴史を持つ 風布川(ふうぷかわ)にはサンショウウオが生息、年中花が咲く桃源郷 |
果樹園・河川・畑 |
||
|
江戸時代の開拓地割りをそのまま生かす。間口72m奥行き765m 屋敷、畑、雑木林の順に細長く区画された農村集落 |
畑・集落・里山 |
|||
千 葉
|
|
千葉ニュータウンのすぐ近くにある76ヘクタールの谷津地域 田や畦(あぜ)、斜面林の他に溜池や水辺環境も健在、鎮守の森も |
水田・池沼 |
||
|
丘陵地の農村。地域で共有林を持ち間伐や枝打ちなど管理も行き届く |
里山・水田・畑 |
|||
東 京 |
|
多摩丘陵の歴史環境保全地域とその周辺集落。地元農家の管理組合が 都と契約をして伝来の農作業を行い新しい入会(いりあい)の姿を築く |
水田・里山 |
||
神奈川
|
|
葉山牛の牧舎のわらで作る堆肥、里山を利用した炭など地区全体に 循環の輪が残る。棚田は湧き水を使う、竹細工伝承も残る |
水田・湧水・里山 |
||
|
山地にへばりつく茶畑。霧の発生で上質の茶が生まれる。今も使われて いる土蔵が数多く残る。自給自足の里でユズも特産品 |
茶畑・集落 |
|||
新 潟
|
|
海沿いの細い路地や黒瓦の漁業集落で背後の高台にある棚田や畑 棚田では有機栽培も。放鳥されたトキの飛来も |
海辺・水田・畑 |
||
松之山・ |
有数の豪雪地帯。地域全体に手入れの行き届いた棚田がある。 溜池も多数有り、絶滅危惧種の水生昆虫が当たり前にみつかる |
水田・池沼・里山 |
|||
富 山
|
|
黒部川の扇状地。街中できれいな水が湧き生活に利用。富山湾の 取れたての海の幸を食べさせる「魚の道」を漁協が直営 |
湧水・海辺 |
||
約220平方キロメートルに約7千の散居民家がある。 日本を代表する散居集落。「カイニョ」と呼ばれる屋敷林は杉が主 |
集落・水田・畑 |
||||
石 川
|
|
ゆるやかに棚田が広がる約160人の集落に5つの寺がある 寺では喫茶店、ブランド米や酒造りなど住民の地域興しも盛ん |
水田・畑・里山 |
||
|
養蚕全盛期に建った堂々たる家並み。屋内には漆塗りの大黒柱や天井 仏壇には花が絶えず、朝夕読経が流れる。伝統の紬工房も |
集落 |
|||
|
北前船の船主の集落。地元の砂岩を切り出した精巧な石垣の上に 船板を外壁に使った豪華な屋敷。船板にはフナクイムシの穴も |
集落・海辺 |
|||
福 井
|
|
希少野生生物保全指導員の農家がアベサンショウウオの生息地を保全 |
水田・集落・里山 |
||
|
江戸時代からの梅栽培地。湖はハスなどの希少種が生息。水路と田を つなぐ魚道作りや水鳥のために冬の田に水を張る |
池沼・水田・果樹園 |
|||
山 梨
|
|
牧丘町の高原は一面のぶどう畑。住民は一次産業主体に暮らす。 八幡地区には更に桃などの果樹や米、古い切妻型の民家もある |
集落・果樹園・里山 |
||
|
NPOや企業と山里の遊休農地を復活。大学研究室ととも連携して バイオマスや小型水力発電によるエネルギーの自給自足を目指す |
里山・水田・畑 |
|||
長 野
|
豪雪地帯。秘境・秋山郷を含む。熊、 カモシカなどの動物や山菜、キノコの宝庫でもある。山里の暮らしを保つ |
里山・河川・水田・畑 |
|||
北アルプスと四季折々の農村風景。「癒しの郷」づくりがうたい文句 リンゴ、米、大豆などを生産 |
里山・水田・畑 |
||||
|
V字谷に数十戸単位の集落点在。急斜面で二度芋、アワ、ヒエなど昔から の作物を作る。重文の「霜月祭り」の面や神楽 |
畑・水田・里山 |
|||
矢作川の源流。年間2千ミリ超の雨が降り杉が良く育つ。林業経営が 難しい時代にも木を育てた |
里山 |
||||
岐 阜 |
|
辺境に7つの集落計70戸。そのどの家にも全面が板造りの伝統的な 倉庫「板倉」が残る。「寒干し大根」が有名 |
集落・湿地・水田 |
||
静 岡
|
|
富士山を望む半農半漁の里。海に面して石組みの棚田が広がる 棚田トラストで耕作放棄地がよみがえる。海では伊勢エビ漁。 |
海辺・水田 |
||
大井川中流域の茶と林業の里。樹林に囲まれた小規模な茶畑が点在 |
河川・茶畑 |
||||
愛 知
|
|
1500本の梅林が15戸の集落を包む。梅干しは特産品。山に炭焼きの 風景が残る。梅林を流れる川にはアマゴも生息 |
果樹園・集落・河川・里山 |
||
|
三河湾に浮かぶ半農半漁の島。コールタールを壁面に塗った 木造の家並みが続く。自生のスイセンやハマダイコンなどの植生も |
集落・海辺 |
|||
三 重
|
|
瓦屋根の古い民家約200戸が海から山へびっしり張り付く風景は壮観 昔ながらの漁村の姿が残る。タイの養殖が中心 |
集落・海辺 |
||
|
山の斜面に約50戸の家々が石垣を築いて身を寄せ合う。 かつては川舟が交通手段。川と石垣集落の間の水田も調和が取れてる |
集落・河川・水田 |
|||
滋 賀 |
|
ヨシ原特有の湿地生態系が残るや琵琶湖最大の内湖、西の湖の北西 |
池沼・河川 |
||
|
三重県県境の約20戸の集落。田畑はよく管理され畦は常に草刈りされて |
水田・池沼・里山 |
|||
京 都 |
|
穏やかな湾を囲むように約230件の舟屋がある。1階が舟の格納庫、2階が |
集落・海辺 |
||
|
十数戸の集落。笹ぶきなどの伝統技術も伝承。棚田とブナ林、湿原も |
集落・湿地・水田・里山 |
|||
越畑・樒原(しきみがはら)(京都市) |
愛宕山麓の棚田と清流が美しい。里の花や夕日を狙いカメラマンも多い |
水田・里山 |
|||
大 阪 |
|
「ガマ」と呼ぶ独特の石組み用水路を持つ棚田が特徴。ミドリシジミ類のチョウ |
水田・里山 |
||
市の南東部にあり棚田や溜池、雑木林などの里山景観が残る 小動物も多く生息し絶滅危惧種を含む山野草も多い |
水田・池沼・里山 | ||||
兵 庫 | 行政・市民団体・住民がコウノトリのエサ場となる湿地や耕作放棄田の修復保全に 取り組む |
水田・河川・湿地・里山 | |||
茶道などに使う一庫炭(菊炭)の産地。輪伐により林齢1〜10年のクヌギなどが モザイク状の里山景観をつくる。昆虫の宝庫 |
里山・集落・水田 | ||||
奈 良 | 三重県名張市を一望する山腹に棚田が広がり住民総出で植えた彼岸花や アジサイが咲く。ササユリ保護やビオトープ作りも進む |
水田・集落 | |||
飛鳥川の源流域。稲淵は棚田が美しく 混在する原風景を取り戻す活動が続く |
水田・集落 | ||||
熊野古道小辺路、果無峠近くの小集落。急斜面の田畑を耕し自給自足で暮らす 古道沿いに観音石仏と供花、眼下は十津川温泉 |
集落・畑 | ||||
和歌山 | 1600年の歴史。高野山参拝の表参道で史跡、文化財が保護 田園風景に里の豊かさ、ぬくもりを感じる |
集落・水田 | |||
町の中心から車で40分。山懐に約60世帯130人が暮らす。3分の一は町外からの 新規定住者。お茶の産地でカモシカも生息 |
集落・畑 | ||||
鳥 取 | 集落と周辺の里山に手入れの行き届いた梨園が広がる。 土蔵や生け垣などを備える落ちついた家並みが山沿いに続く |
集落・果樹園 | |||
集落を丸ごとNPOにして元気な自治体を目指す。里山の杉林は明るく健やか | 集落・水田・里山 | ||||
島 根 | 今も盛んな牛馬の放牧で草地景観を保つ。 | 草地・海辺 | |||
洪水と風を防ぐためのクロマツの高生け垣「 定期的な枝切りで機能美を保つ |
集落 | ||||
岡 山 | 中国山地の懐に位置する盆地で、木地師の里 茅葺き民家も残り渓谷の川にはオオサンショウウオも生息 |
河川・集落・水田 | |||
瓦葺きの焼き板を使った黒塀の家並みが続く漁村集落 ゴーヤを使った特産品づくりで島おこしも。島の名前は水軍に由来 |
海辺・集落・畑 | ||||
広 島 | 白滝山と五百羅漢の石仏群がシンボル。多くの島々を望む景観は歌人を魅了 山裾を除虫菊が白く埋めた「花の島」復活を図る |
畑・海辺 | |||
山間の盆地に大小20の湿原が点在。水田と湿原が同居しのどかな田園風景が 広がる。茅葺きの農家も残り木々も豊か |
湿地・水田 | ||||
山 口 | 自ら生態系を守り、一次産業再生に努めることを自治会規則で確認 無農薬のビワ栽培、野菜くずなど島内の資源で豚も飼う |
海辺・集落・果樹園 | |||
ナベヅルのねぐら整備。子供とのホタル増殖、独居老人の安全確認ポストなど人と 生き物を大切にする地域作り |
水田・集落・里山 | ||||
田園風景が整った山間地帯。独居老人に声を掛け合うなど地域福祉に力を入れる | 集落・水田 | ||||
徳 島 | 料理に添える葉っぱビジネスで名高い町。ブナ原生林の残る高丸山を仰ぐ地区には 小高い丘に田が開けスダチの畑も広がる |
水田・畑・里山 | |||
山肌の景観を織りなす石垣の段々畑に圧倒。石垣そのものに健康や農耕の神が 祭られている |
畑・集落 | ||||
香 川 | 湯船山の湧水が棚田を育てる。貴重な水は竜神信仰に結びつき溜池文化を育んだ 清流にはホタルが舞う。農村歌舞伎も伝承 |
水田・集落・湧水 | |||
愛 媛 | 農業とともにマス、イワナの養殖も営む。里山も手入れが行く届く。 | 里山・水田・畑 | |||
巡礼者に飲食を振る舞うことで自分も功徳を積む「お接待」の場である 東屋 |
集落・水田・畑 | ||||
半農半漁の里で海ぎわから丘の上まで段々畑の石垣が 石垣は60段に及ぶ |
畑・海辺 | ||||
高 知 | 最後の清流と呼ばれる四万十川支流域の山間の奥まった里。急斜面に へばりついた石垣の集落で谷あいを一望できる隠れ里 |
集落・河川・水田・畑・里山 | |||
特産品のユズは搾り汁を加工飲料に使うので見てくれ不問で無農薬栽培 石垣や土手の手入れが行き届いている |
果樹園・河川・畑 | ||||
福 岡 | 渡り鳥のエサとなる貝など底生動物が豊富。周辺にはハマニンニクハマニンニク など塩生植物が群生、干潟本来の景観を残す |
海辺 | |||
石積みの棚田群が24個所。日当たりの良い斜面には茶畑や花木畑がある 大型望遠鏡を備えて「星のふるさと」をアピール |
水田・茶畑 | ||||
佐 賀 | 生け垣や竹垣で囲った畑地景観が広がる。畑の手入れの良さは地域の 営農意欲の表れ。海辺の田島神社周辺には暖地性植物が自生 |
畑・海辺 | |||
湧水地帯。地下水の使いすぎで枯れていた氏神社の縫ノ池が40年ぶりに復活 | 湧水・水田 | ||||
長 崎 | 江戸時代後期の武家屋敷の集落景観を引き継ぐ。生け垣と庭の緑が豊か 水都は庭に引き込まれて池となりハヤやタナゴ類が群れる |
集落・河川 | |||
島最南端の集落。海士による潜水漁や赤米の栽培、神事など古い文化を残す 里山を利用した養蜂や在来種ソバの栽培も |
水田・海辺・里山 | ||||
草地が広がる鬼岳東麓の畑作地帯。現在も葉煙草栽培が続く。 防風のため畑を囲う石垣と生け垣は生き物の暮らしの場にも |
畑・集落・水田 | ||||
熊 本 | 昔から放牧〜採草〜野焼きが行われた雄大な草原は多様な動植物の生息地 火山、草原、水田が一体となった独特の景観 |
草地・水田・畑 | |||
沖合の岩礁にイルカがすみつき、一年中観察が可能。男性の素潜り漁師が 60人ほどいて海藻やアワビを採る。天日干しの製塩業も |
海辺・畑 | ||||
大 分 | 約300年続く 集落全体に響く。登り窯の燃料は日田の製材所の端材を生かす |
集落・河川 | |||
山間の集落。耕作放棄地の再生や農林業体験を通じて都市住民と交流する 盆踊りなどの伝統行も続く |
集落・河川・水田・里山 | ||||
宮 崎 | リアス式海岸の小さな入江や美しい砂浜。日向灘での巻き網漁などで県下一 の水揚げ高。裏山には手入れの行き届いた茶畑 |
海辺・茶畑 | |||
畜産業を通じて循環型の農業/林業を営む。おがくずが家畜の寝床などになり ふんで肥料やバイオ発電 |
畑・集落・水田・里山 | ||||
鹿児島 | 海の迫る丘陵地に築かれた石垣と石畳の集落。畑の境界や垣根などもすべて石垣 迷路のような小路沿いに黒瓦の古い家々が残る |
集落・海辺・畑 | |||
役立つだけではなく島唄文化を育む憩いの場。各集落には土俵もある |
集落・海辺 | ||||
沖 縄 | やんばるの森( |
ヤンバルクイナなど希少生物の宝庫。村民の20%が一次産業に従事して 生態系や潮の干満などを生かした伝統的文化や行事が残る |
里山・海辺・畑 | ||
サトウキビや野菜作り、モズク採取にクルマエビ養殖が盛ん。島中央部の湿地が ラムサール条約に登録。伝統の |
畑・海辺・湿地 |
にほんの里百選とは
朝日新聞社と森林文化協会による選定で 人々の暮らしによって育まれたすこやかで美しい里を「景観」「生物多様性」「人の営み」を基準に
選ばれた集落や散居村。(朝日新聞社2009/01/06朝刊より転載)